岩手県立宮古病院

岩手県立宮古病院-がん診療支援

リンパ浮腫外来

当院では、リンパ管の発育不全などによる原発性リンパ腫、乳がん、子宮がん、卵巣がん、前立腺がんなどの手術に伴うリンパ節廓清や放射線治療後に起きる続発性リンパ腫慢性静脈機能不全などに対して担当セラピストが治療を行うリンパ浮腫外来を開設しております。

リンパ浮腫とは

リンパ浮腫とは、がんの手術でわきの下や足のつけ根のリンパ節を切除したり、放射線治療によってリンパ管が細くなったり、とぎれたりすることでリンパの流れが悪くなり、リンパ液が皮下にたまる状態です。症状は、手や足が腫れぼったい・だるい・重い感じがするなどがあります。また、初期ではまったく症状のない人もいます。

リンパ浮腫外来受診のシステム

リンパ浮腫外来では、患者さんに安全で効果的な治療を提供するために、初診時に医師の診察を必ず受けていただきます
他施設で治療を受けた方は、主治医からの「診療情報提供書」、当院外来受診患者さんは「紹介状」を必ずご持参ください。

初診について

【診察日】 毎週火曜日14:30~16:00および毎週水曜日13:30~16:00(平成30年1月より)
【担当医師】善積 昇(産婦人科医師、リンパ浮腫療法士)
【初診時の診察・検査の内容】
四肢などの視・触診、血液検査、超音波検査、胸部X線撮影、心電図、リンパシンチグラフィを施行します。必要に応じてMRI・CTなどの画像検査を施行し浮腫の診断と治療の適応について判断します。

 

リンパ浮腫治療について

【診療日】 毎週火・水曜日13:30~17:00(平成30年1月より)(完全予約制)
【診療場所】産婦人科外来および併設の治療室
 ※お電話にてご予約を承りますので、産婦人科外来までご連絡ください。

当院は、国際リンパ学会でリンパ浮腫の標準的治療として認められているフェルディ式複合的理学療法を行っています。リンパ浮腫に熟練した医師が治療計画を作成し、それに基づいてリンパ浮腫療法士が患者様の個々の状態に応じた適正な治療を行います。
リンパ浮腫は進み具合によって治療方針が異なるので随時、治療効果の評価のため上下肢の周囲径測定、血液検査、画像検査などや写真撮影をすることをご了承下さい。
フェルディ式複合的理学療法とは、以下の4つの治療法を効果的に用いた治療法です。
加えて、自宅での「セルフケア」や「生活指導」も併せて行います。

スキンケア 治療前に乾燥しやすい皮膚の保湿を行います。
マッサージ 滞っているリンパの流れを適切に排液し、むくみを緩和します。
また、硬くなった皮膚をほぐし皮膚の状態を改善します。
圧迫療法 マッサージにより改善された皮膚を維持するために、弾性ストッキングや弾性スリーブを着用します。
運動療法 圧迫状態で運動することでリンパの排液を促進します。

【治療の際の注意点】
・治療の際にはガウンに着替えていただきます。
・弾性包帯、弾性着衣をお持ちの方はご持参ください。
・治療後は症状に応じて患肢に包帯を巻いた状態でお帰りいただく場合もありますので、普段よりサイズの大きい服装(スカート等)や靴をご用意ください。
・予約をキャンセルされる場合は産婦人科外来にお電話ください。

 

料金について

リンパ浮腫外来で行う医療徒手リンパドレナージ(マッサージ)は保険給付の対象外です。
岩手県立病院では1回につき5,210円(消費税込)と定めています。

弾性包帯・弾性着衣の購入費用は「療養費の支給対象」となりますので、医師が発行する「弾性着衣等装着指示書」および購入にかかった内訳が分かる領収書(原本)等を添えて健康保険の保険者へ申請することで、購入費用の7~9割(年齢によって異なります)が支給されます。
詳細については、ご使用の健康保険の保険者へお問い合わせください。

 

当院のリンパ浮腫療法士・MLAJ認定リンパ浮腫セラピスト

何かご不明な点があれば、お気軽にセラピストにご相談ください!

リンパ浮腫療法士
MLAJ認定リンパ浮腫セラピスト
松舘 久美子(看護師)
芳賀 真由美(理学療法士)
MLAJ認定リンパ浮腫セラピスト

佐々木 麻記(看護師)

巽 綾子(看護師)