岩手県立宮古病院

岩手県立宮古病院-研修医からのメッセージ

研修医からのメッセージ

たすきがけ研修  東北大学病院2年次研修医  若山 祥之介  令和元年7~11月

 宮古病院では2年目の7月から11月まで5か月間、東北大学病院からたすき掛けで研修しました。好奇心から初めて訪れた縁もゆかりもない本州最東端の地は、津波到達地の看板があちらこちらにあり、やませに霞んだ病院は怪しい楼閣のように見え、不気味さが不安を煽るようでした。
  病院が変わるといくつかの診療科が無かったり、電子カルテシステムが違ったりと環境がガラッと変わりますが、中でも大学とのギャップが最も大きかったのは救急当直でした。医師が2人、1人ずつ前半と後半のシフトに分かれ担当するので、自分のシフトは医師が実質自分だけです(1年目は違います)。診察や検査、最終的な方針の判断まで自らの負うところが大きく、戸惑い、苦い経験も何度かありました。しかし上級医に助けてもらいつつ回を重ねるうちに主体的に行動する臨床能力が付き、学生の延長気分ではなく一人の医師としての自覚が持てました。
  そんな苦楽を共にした同期や後輩たちとはとても仲良くなりました。元々の宮古病院の研修医は宮古のことをたくさん教えてくれ、岩手医大や他県からのたすき掛けの研修医とは似た立場で話ができました。皆で何度も飲みに行ったり、時には野球観戦や旅行に行ったりしました。上級医の先生方も、宮古病院は岩手医大や自治医大出身の先生が多く、東北大学出身の自分には当初知り合いが全くなかったのですが、何度も飲みに連れて行ってもらったり、時には学会にも行かせてもらったりしながら楽しく過ごせました。
  飲みに行くと、海鮮が素晴らしいです。夏はウニ、ホヤ、ドンコ、秋にはサンマが旬です。同期たちや上級医の先生方、看護師さんはじめコメディカルの方々と楽しむ海の幸は格別でした。
周りの自然も豊かです。病院のイベントで乗った浄土ヶ浜の遊覧船三陸丸からはウミネコ・オオセグロカモメにパンをあげたり、船上でビールを飲んだりしました。浄土ヶ浜に加え龍泉洞、早池峰山、魹ヶ崎灯台など沢山の見どころが「三陸ジオパーク」として整備されており、休日は三陸の大自然を五感で楽しめます。
  公私ともに充実した5か月間を過ごし、今や宮古は心のふるさとです。研修病院としても、たすき掛け先としても、本州最東端の宮古病院に来てみるのはいかがでしょうか?

 

 たすきがけ研修 岩手医科大学2年次研修医  宮本 一宏  令和元年8~11月

 宮古病院での研修に不安でいっぱいの中、覚悟を決めるかのように盛岡を発った。不安を感じる出発ではあったが、空を見上げればこの上無い程の快晴。宮古病院での研修を激励されているような気がした。盛岡と宮古を結ぶ国道106号線を悠々と走り、カーステレオから流れる「CHA-LA HEAD-CHA-LA」を口ずさむと気分は高まる。ワクワク感のような高揚感のような。不安は解消され、これから始まる宮古病院での研修が期待感で溢れていた。2番に差し掛かる頃には大熱唱しており、閉伊川に反射する太陽と釣り人を横目に綺麗な景色だと心奪われていると、カーブでのハンドル操作を誤り、危うく事故を起こすところであった。おかげで冷静になり、緊張感を感じながらも、2時間の運転はあっという間であった。

 不安を感じていた宮古の生活も初めの3日だけ。美味しい料理と心温かい宮古の人々の心に触れ、不安は安心に変わり、最終的には盛岡に帰りたくないと思うようなった。当初3ヶ月の研修予定も1ヶ月延長し、4ヶ月の研修となったが、さらにもう1ヶ月延長すれば良かったと後悔し今となっては後の祭りである。これ程までの後悔は、小学4年生の時、デジモンの最終回を寝坊で見逃して以来である。そんな宮古病院であるが研修2年目になると、日当直を一人で任せられるようになる。もちろん院外研修医であっても例外ではない。不慣れではあるものの、悩んだり、考えたりと多くのことが経験出来た。しかし、なにぶん未熟なところもあり、多くの先生に相談したものだ。中には当直の度に電話相談する先生もおり、今度、菓子折りの一つでも持ってお礼に行こうとも考えている。

 そして、私が宮古に来て最も良かったと思えたのが全国から来る他院研修医の存在である。他院での臨床の話はとても興味深く、自分のモチベーションが上がり、とても刺激になった。また、同期ならではの愚痴や不満、果ては恋愛事情を肴に飲む、宮古の地酒「千両男山」は美味であった。締めのラーメンで腹を満たし、ほろ酔い気分で帰る道中、みんなで歌う「千の風になって」は忘れない。そんな楽しい時間であるからこそ、あっという間に終わりを迎え、別れの時がやってきた。最終日、宮古の余韻に浸りながら、大きな背中を震わせ寂しさを振り払うかのように愛車に跨がり、宮古を去った。その日の夜、盛岡の飲み屋街で「やっぱり盛岡やな!」と言ったとか言ってないとか。

 

  

 

学生から研修医へ    1年次研修医  菊池 熙人  H30年11月

平成30年2月10、11日に行われた第112回医師国家試験から8ヶ月、岩手県立宮古病院の初期臨床研修が始まってから半年が過ぎました。学生だった頃が懐かしく感じてしまうのは、自分が研修医としての自覚が芽生えてきたからなのかなと感じています。

 宮古病院での研修は衝撃的な幕開けでした。当院の初期臨床研修は2週間のオリエンテーションの後に病棟勤務が始まります。オリエンテーションを終え、いざ病棟だと意気込んでいたところで心当たりのない着信がありました。「10分後にCPAの患者様が搬送されてきます。研修医は救急外来へ集合してください。」とのこと。当院の方針で、CPA対応は上級医と初期研修医全員で行います。現在は2年次研修医がいないため、1年次のみでの対応となっています。言われるがまま、救急外来へ行ったのは良いものの何をして良いのか…。そもそもCPAの患者さんを目にするのも、その対応をしている救急の緊張感も初めてで、僕は上級医の先生から指示を受けるまで動くことが出来ませんでした。加えて、臨床研修では看護師さんへの指示出し、原因の鑑別とそれを見越した検査オーダー、ご家族へのIC、かかりつけ医から診療情報の入手など、治療以外にもやらなければならないことがあります。ただ勉強さえしていればなんとかなった学生時代は、なんて楽だっただろうと思いました。そんな研修デビューでしたが、経験症例を増やし、BLSやACLSを学んだことで流れを理解して初期対応できるようになりました。このような感じで、日々失敗と反省を繰り返しながら1つ1つ学んでいます。

 研修が始まってからの土日は、当番や大学院、外での勉強会など、丸1日ゆっくり休む時間がなかなか取れません。それでも時間を見つけては海の幸を食べに出歩いています。お寿司はどこに行っても美味しいですし、味の割にお財布に優しい価格設定になっています。海鮮系の居酒屋も沢山あります。中には御通しが蟹と枝豆で同じお皿に入って出て来るところもあり、これが沿岸の居酒屋か…と驚かされました。平日の夜は、先生に声をかけていただき飲みに出歩いています。学生の頃のインドア派だった自分とは思えないほどアクティブになりました。日中は診療に専念し、夜は飲み会に参加し、メリハリのある研修生活を送れていると思います。

 学生と研修医のギャップに戸惑いながら始まった研修医生活ですが、知識・体力・メンタルの全てが学生の時より成長していると感じています。忙しい合間をぬってご指導してくださる先生方には感謝の言葉しかありません。今後も様々な場面でご迷惑をおかけすると思いますが、ご指導ご鞭撻のほど宜しくお願い致します。

たすきがけ研修 東北大学附属病院 2年次研修医 曽我天馬  H28年7月~

 

 岩手県立宮古病院で2年目研修医として5ヶ月間研修をさせていただきました。盛岡から国道106号を2時間。「海の見える街!」16歳の魔女キキと同じ理由でやってきた宮古の町並みは私の心にスッと入り込み、「いい街だ。」そう感じさせました。

 岩手沿岸の拠点病院である宮古病院は救急車を拒めません。そして、なんでも診る。1年次研修医は副直として夜の救急医療を見ることができます。指導医がつきながら、(お金も出て、夕食までついて、)好きな回数だけ救急医療に携われることは研修としてはとても羨ましい環境だと感じました。宮古病院で私は2年目にして初めて一人救急担当医デビューをしましたが、日々の研修ローテートで培った力をフルに使い、入院や専門医へのコンサルテーションする力が身についたと思います。

  宮古の夏祭りの日に駅前で多くの人で賑わっている宮古の街をみてハッとしました。「この大勢の人たちの中で夜中に病院に来る人を診るのは、私だ」。この気持ちには、自分一人に任される責任の重さとは裏腹に、この地域の医療に貢献しているんだという充足感がありました。

「ウニが美味しい、これがウニかぁ!」。歓迎会を催してもらい、東京やドヤ顔の地方衛星都市にいたら味わえないであろう海産物の味を知ってしまいました。美味しい海産物を提供してくれる地域に医療で貢献するのも悪くない。「私、この街が好きです」。

 

たすきがけ研修 岩手医科大学附属病院 2年次研修医 大津 瑛裕   H28年6月~

 2016年6月から11月までの半年間、宮古病院にてたすきがけ研修をさせていただきました。もともとは岩手医科大学附属病院にて研修をしています。6~7月は呼吸器・総合内科、8月は外科、9~10月は循環器科、11月は小児科にお世話になりました。当初は初めての市中病院での勤務ということで緊張していましたが、終わってみるとあっという間でした。

  岩手医科大学附属病院は、ほぼ毎年宮古病院へたすきがけで出る研修医がいます。大学病院と比較し研修医に任される範囲が大きいことや、全科当直が行える点が特によいと諸先輩方に勧められ、宮古病院への出向を決めました。

  私は岩手県出身なこともあり、将来的にも岩手の地域医療へ貢献したいと考えています。特に沿岸部は医師が不足しており、専門科にかかわらず当直を行う必要性があるため、研修医の段階で全科当直を経験できたことは大きかったです。夜間の宮古病院は広大な医療圏をほぼ一手に担うため、様々な症例を診ることができます。また、研修医単独診療の範疇を越えるような場合は、上級医が教育的に共に診察してくださるため、とても勉強になりました。当直外の普段の診療でも、先生方には優しく、時に厳しくご指導いただき、宮古病院研修にて得たものは大きいと考えます。

 宮古病院は地域医療を行う病院としてとても人気があるため、半年間の研修期間中にも名古屋や東北大をはじめとした、他院の研修医が多数訪れました。異なる環境で働いている彼らとの交流は、公私共にとてもよい刺激になりました。

  最後になりましたが、宮古で関わせていただきました医師、看護師、事務をはじめとした皆様のご厚意により半年間の研修を無事に終えることができました。心より感謝申し上げます。

 

1年次研修医 奥田 将人   H28年

 宮古病院で4月から研修を初めて早くも3か月が過ぎました。最初のローテーションでは消化器科を回らせて頂きました。初めの1か月は右も左も分からなくて、オーダーの仕方などカルテの使い方もままならない状態でしたが、宮古病院の先生方には本当に親切に1から指導して頂きました。まだまだ出来ることは少ないですが、少しずつ経験を積んで出来ることを増やしていきたいなと考えています。 

 僕が宮古病院に初めて見学に行ったのは大学5年生の時でした。その時は友人に誘われて見学に行ったわけですが、医局の雰囲気の良さや研修のシステムが自分に合っているなと感じ宮古病院で研修をすることを決めました。宮古での研修の特徴は1年次研修医の当直が22時までというところと、研修医数が少ないためローテーションする科をかなり自由に決められるところだと思います。当直では1年次研修医が一人だけで対応するということは無く、常に上級医の先生がチェックをしてくれるため安心して診察することができます。また、22時までにほとんどの患者さんが来るため症例も多く経験できます。ローテーションに関しては2年間で14か月の自由選択があり、研修医数も少ないため自分の回りたい科を自由に選ぶことができます。将来の科を決めかねている人には非常に良い研修先だと思います。 

 まだ研修は始まったばかりですが宮古病院を研修先に選んで良かったなと感じています。自分もそうでしたが、宮古病院は研修医数が少なく先輩からどんな病院かという情報が入ってきませんでした。病院見学にまだ行っていないという方や、研修先を迷っているという方は是非一度見学に来てみてはいかがでしょうか。

 

1年次研修医 人見 晶   H27年

1年次研修医 人見 晶

 僕が県立宮古病院で研修することを決めたのは大学5年生でした。東日本大震災後の沿岸地域の医療に自分でも何か貢献できることはないかと考えたことが最初のきっかけでした。実際に見学させていただき、研修の自由度の高さや指導医の先生方の熱心な指導を肌で感じました。さらに苦手だったウニが宮古で食べると非常に美味しく感じられことは今でも忘れられません。医局内の雰囲気もアットホームで初期研修の環境として申し分ないと思い、沿岸地域の医療にも貢献できるかもしれないと考え宮古での研修を決めました。

 実際に宮古での研修が始まり数か月が経過しましたが、日々充実した研修生活を送っています。指導医の先生方との距離が近く相談しやすいため、自分だけで悩んで患者さんへの対応が遅れるということもありません。また、自分が積極的に学びたい手技があればローテーション以外の科でも見学することができ、指導医の先生の下で自分が行うことも可能です。診療科が多く、研修医の数が少ない宮古だからこそ出来る強みだと思います。当直ですが一年次は夜の10時までの副直で、上級の先生と一緒に入るので一人だけで対応することはありません。もちろん最初から自分で対応することも可能です。その際には上級の先生にチェックをしていただくので安心です。まだまだ僕自身出来ることは多くはないですが、多くの経験を積んでいきたいと思っていますし、それが宮古では出来るとも思っています。

 宮古の魅力は病院内だけではなく、周りの環境にもあります。なにより食べ物が美味しいです。前述のとおりウニが苦手だった僕も宮古で大好きになりました。飲み屋さんも美味しいところばかりです。自然も豊かで海や川での釣りも出来ます。ちなみに釣りの同好会も不定期ですが行われる予定です。

 ここに書いたことは宮古の魅力の一部でしかありません。もし沿岸地域に興味があったり、手技をたくさん経験したい、でも症例の取り合いはちょっと苦手だな…という方は是非見学に来てみてはいかがでしょうか。

 

後期研修医(外科) 菅野 紘暢   H28年

 2年次研修医 菅野紘暢

 初期研修に引き続いて、岩手県立宮古病院で後期研修をさせていただいております。

  一般外科として手技習得のため、診療科は外科に所属しています。手術はもちろんですが、入院周術期管理、創処置外来、救急外来も担当しています。緊急手術の時は上級医の指導の下で麻酔管理をすることもあります。

 後期研修としての明確なプログラムはありませんが、自分の計画に合わせた研修が可能です。外科学会専門医制度修練関連施設のため当院で施行した手術症例は専門医の申請の際に報告が可能です。当直も全科当直の体制をとっており、専門分野研修というよりはプライマリケア領域寄りの研修となっています。

  初期研修中は内科領域での研修期間が多かったため、外科としてわからないことや対応に困ることもありますが、すぐ上級医に相談できる環境で大変勉強になっています。

  当院は初期研修におすすめですが、内科分野・外科分野ともにCommon diseaseを中心に専門科研修を開始したい方には後期研修にも適しているのかもしれません。

 沿岸の病院ですが立地は山の上です。野兎やイタチ科の動物を見かけることもあります。窓から海を眺めつつコーヒーを飲みながら働ける環境などいかがでしょうか。

 

 

 たすきがけ研修 名古屋大学附属病院 2年次研修医 杉山 純也   H28年5月~

 

 医療や介護の面は診療所や病院の研修で学ばせていただきました。訪問診療・往診にも同行させてもらいました。患者さんとの信頼関係が非常に強く、まさに生活している環境まるごとをみることができました。

 宮古病院では夜間の救急外来当直もさせていただきました。宮古病院は要請のあった救急搬送を全て受け入れています。搬送されてきた患者さんのfirst touch から disposition決定まで基本的に自身のみで行うことになります。(必要時には上級医のサポートを受けることができます。看護師さんをはじめ、コメディカルの方たちは非常に協力的です。)こうした環境で、自分の判断がそのまま患者さんに反映されていくことで、強い責任感を感じながら研修できました。

 4週間だけではありましたが、医療だけでない地域の住民サポートから急性期医療まで幅広い経験をさせていただけ、これから診療を行っていくうえでの考えの幅も広げることができました。

 

たすきがけ研修 名古屋大学附属病院 2年次研修医 脇田 祐実  H28年6月~

 前期間の杉山医師に引き続き、2016年6月から7月の4週間、岩手県宮古市で地域研修をさせていだきました。岩手県立宮古病院消化器科での研修に加え、宮古市保健福祉部、山田病院、田老診療所、小本診療所、重茂診療所などでも研修をさせていただきました。

 私の伺った時期はちょうど仮設住宅の取り壊しが始まった時期でした。地域研修では保健福祉部の方や社協の方の取り組みを拝見する機会をいただきました。仮設住宅を出て生活の基盤が整い出す一方、これまで築いたコミュニティとはまた違った繋がりを作ろうと、たくさんの方が力を合わせて取り組んでいらっしゃる様に感銘をうけました。

 山田病院、田老診療所でも仮設の施設から新しい施設への引っ越しを控えた時期でした。患者バスでやってきた患者さん達に次の施設への引っ越しのご連絡をしていらっしゃる様子を見学し、いよいよだな、と感じました。各診療所において医師不足が進行する一方、地域の方にとってその診療所がかけがえのないものだということもわかりました。

 宮古病院では消化器科でお世話になりました。これまで研修してきた大学病院とはまた少し立場が違い、より地域に根ざした診療が行われていました。日々の生活の不安に寄り添いながら、あたたかい医療がなされていました。

 週に1回程度、救急外来での当直業務にもあたらせていただきました。宮古市一帯の急患患者をになう宮古病院、重症な方から比較的軽症な方まで、皆さん宮古病院を頼りに受診していらっしゃいました。その期待に応えようと、必死に勉強させていただきました。

 4週間という短い期間ではありましたが、宮古という地域のあたたかさを感じました。大変お世話になりました。

 

たすきがけ研修 名古屋大学附属病院 2年次研修医 井上 茂  H28年10月~

 前々期間の脇田医師に引き続き、2016年10月から11月の4週間、岩手県宮古市で地域研修をさせていだきました。岩手県立宮古病院消化器科での研修に加え、宮古市保健福祉部、山田病院、田老診療所、小本診療所、重茂診療所などでも研修をさせていただきました。

 私の伺った時期は8月末の台風の影響を受けた時期でした。地域研修では保健福祉部の方や社協の方の取り組みを拝見する機会をいただきました。仮設住宅から経済的理由で出られない方や台風被害で浸水してしまい仮設生活を再び余儀なくされた方もおり、自然災害の悲惨さを肌で感じました。また、今までは一軒家に住んでいた方も多く、仮設を出てから新たに集合住宅に住むことになった方もおり、新たにコミュニティを形成する難しさやそのための絶え間ない努力に感銘を受けました。

 山田病院、田老診療所、重茂診療所では日常の外来診療や訪問診療の様子を見学させていただきました。医療資源も限られており、特に医師不足は顕著でした。また、津波の影響で開業医も少なくなり、診療所の担う役割は大きなものであると実感できました。

 宮古病院研修では消化器内科をローテートさせていただきました。愛知県内の医療圏しか知らないれまで研修してきた大学病院とはまた少し立場が違い、より地域に根ざした診療が行われていました。日々の生活の不安に寄り添いながら、あたたかい医療がなされていました。

 週に1回程度、救急外来での当直業務にもあたらせていただきました。宮古市一帯の急患患者をになう宮古病院、重症な方から比較的軽症な方まで、皆さん宮古病院を頼りに受診していらっしゃいました。その期待に応えようと、必死に勉強させていただきました。

 4週間という短い期間ではありましたが、宮古という地域のあたたかさを感じました。大変お世話になりました。

 

たすきがけ研修 国立病院機構三重中央医療センター 2年次研修医 阿曽 広昴  H28年9月~

 私は2016年9月‐10月の4週間、岩手県立宮古病院で地域医療研修ということでお世話になりました。宮古病院を知ったきっかけとしては、東海北陸地区被災地研修プログラムの名残として地域医療協力施設として選択できたことでした。実際に地域医療研修として宮古病院を選択させていただいた理由としては、自身の医療人として東北という地域に関わる機会はほとんどないため良い機会である思ったこと、震災から約5年という月日が経ち自分自身の目で震災後の復興を見たいと思い、少しでも医療の面で貢献したいと思ったからです。

 宮古病院では外科で研修させていただきました。病棟回診、外科外来での処置、手術が主な仕事であり、手術では実際に入らせていただき経験させていただきました。研修の終盤では鼠径ヘルニアに対する根治手術の執刀医を経験させていただきました。手術では上級医の先生方の手厚いサポートもあり、最後まで執刀することができました。自分自身の自信にも繋がり、上級医の先生方のご指導に感謝しました。また、宮古病院では救急外来での当直を4回ほど入らせていただきました。救急外来においては内科系・外科系に関わらず、初期診療からdispositionの決定、初期診療の治療方法の決定、入院が必要と判断した場合のコンサルテーションまで自分自身の判断で行う必要があり、これまでの日常診療とは違った責任感と使命感で医療を行う必要がありました。普段の医療環境とは異なり厳しい環境でしたが、自身で判断することが困難な症例では上級医にすぐに相談ができる環境もありました。また、救急外来の看護師さんは何を聞いても親切に答えていただき、たくさん助けていただきました。

 地域医療実習では、宮古市にある診療所での外来診察や訪問診療を経験させていただきました。診療所では紙カルテで診療をさせていただき、初めての経験であったため緊張もしましたが良い経験となりました。また外来診察では、震災で体験したことを実際に聞く機会もあり、貴重なお話を聞くこともできました。訪問診療では震災で建設された仮設住宅への訪問もあり、仮設住宅の現状や問題点を知ることができました。

 宮古病院での研修の楽しみの1つに食事があります。特に三陸沖で水揚げされる海産物はどれも絶品であり、何を食べても美味しかったという記憶があります。季節に応じた旬の海産物があり、四季で楽しみがあるのは魅力の1つではないでしょうか。研修中には上級医の先生方や宮古病院の研修医の方々に食事会に誘っていただき、美味しい海の幸を楽しむと同時に、日常診療では関わることのない先生といろいろな話をする中で自分自身にとって良い刺激にもなりました。

 宮古病院での地域医療研修を終えて、短い期間ではありましたが、非常に有意義な研修を送ることができたと思います。初めて来る土地で緊張もありましたが、多くの方々に温かく迎え入れていただき、この地域の人柄の良さにも感動しました。研修での経験をこれからの医療現場でも活かせていきたいと思いました。

東海北陸厚生局との提携による被災地研修プログラム運用モデル事業 派遣者からのレポート